アロエはその幅広い効き方から、「医者いらず」「医者泣かせ」とか「薬サボテン」などと呼ばれています。ユリ科に属し、多肉性植物で、地中海沿岸と南アフリカが原産地です。アロエの歴史は古く、古代ギリシャ時代にすでに有用植物として人々に知られていました。英雄アレキサンダー大王はアリストテレスのすすめで、遠征の時はアロエを持参し病気を防いだと言われています。そして、ヨーロッパ、アジア、アメリカまで広まりました。アロエが日本に伝わって来たのは鎌倉時代ですが、実際に薬草として使われだしたのは、江戸時代の初期からのようです。 現在、日本で広く栽培されているものは”キダチアロエ”と呼ばれるものです。沖縄県、九州、四国、伊豆、房州などで栽培されています。
アロエには代表的なものに「ケープアロエ(Aloe ferox Miller)」、「キダチアロエ(Aloe arborescen Miller var.natalensis Berger)」、「アロエ・ベラ(Aloe barbadenisis Miller)」があります。ケープアロエは南アフリカのケープ地方で栽培されています。フェロックスは写真のように葉が厚くかたいトゲが多く、野生的たくましさを感じさせます。ケープアロエは、日本薬局方に収載されており、医薬品原料専用ですので、食品や化粧品への使用は禁止されています。ケープアロエに含まれるアロイン(aloine)が薬理作用を有しており、排便促進作用を示します。薬局方には「大腸性下剤として常習性便秘に用いられる。緩下作用は常習量で服用後8〜12時間後に現れる。大量に服用するのは注意を要する」とあります。